0歳児スマホ問題について考える:情報モラル専門家による対談報告レポート

「子供の本質は変わっていない」子育ての何を変えなければならないのか

井島信枝

こんなに急速に環境が変わる時代だから、子供が変わったのかと考えると「子供の本質は変わっていない」と思う。生まれたときに「おぎゃー」といって、親を欲して、甘えたいときに泣いて。なので焦らないで欲しい。

松田直子

「子供の本質は変わっていない」本当にその通りだなと思う。「なぜ”しつけ”をするのか」を考えると、その子が将来自律して生きていって欲しいという、親の願いが込められている。家庭のルールを決めるというのも、裏付けとして親の願いがあって、その上で分かりやすい言葉になってくるのがルールだと思う。新聞などで提言が出されても、借りてきた言葉では重みが無い。それが生み出された過程に隠れているものが見えて、保護者自身の考えに落ちてきた時に意味をなすのではないだろうか。

井島信枝

スマホ依存は、多分、僕も該当しますよ。

田中康平

恐らく、かなりの人が該当すると思う。モノサシを示す事ができるのか?モノサシがあるのか?「まだモノサシがありません」と言い切ってしまう方が大切ではないかとも思う。

桑崎剛

ある程度ポリシーを持って与えている保護者はよいが、そうではない保護者も多い。今、悩んでいるのはそういう保護者ではないか。「あるべき姿」を求める事も大切だが、あるべき姿がいくつも在ると感じる。先ほどのハフィントンポストの記事にも「過度な利用は控えましょう」とあったが、その「過度」は果たしてどの程度なのか?が人によって揺れる。尺度が違うと、使わせ方にもかなりの違いが出てくる。他力本願というか、提示されたモノを使って考えるのではなく「自分に応じた尺度・モノサシ を自分で決めることができる」というのが一つの提言に繋がるような気がしている。

田中康平

未就学児に限って言うと、文部科学省が示している幼稚園教育要領が挙げられると思う。5つの 領域「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」があり、それぞれについての指導の考えが 示されている。殆どは実体験や五感を通じて土台を育む部分。ICT活用スクールをやっている中でも園児には特に体験を広げる活用を重視している。逆にタブレットにのめり込むような活用はやらないようにしている。

永坂武城

基準・モノサシがないのであれば、一つの具体例から考えていく事もよいのではないか。例えば「スマホで赤ちゃんが泣き止む」確かに子供は静かになる。この時、子供はどういう気持ちなのだろうか?どう考えているのだろうか?悪影響があるかもしれない、と一度踏みとどまって考えてもらう提案も必要だと思う。歴史あるもの、例えば歌舞伎でも「守るべきものと、時代に合わせて変えていくもの」がある。

「何を変えるべきなのかの判断基準」を見極めたからこそ今も続いている。子育ての中で「守るべきもの」「時代に合わせて変えていくもの」の判断基準を考えてもらう事こそが大切なのではないだろうか。そこを分かりやすく表現できたら、考える糸口を見つけられるのではないかと思う。

 

子育てにみんな「悩んでいる」

井島信枝

子育てに正解がなく、皆手探りでやっている。兄弟姉妹でもそれぞれに個性があって、一通りで はいかない。具体的に「これが正解」というのが出せない。

田中康平

そいうことをハッキリ伝えるべきだと思う。スマホの活用にしても「みんな悩んでいる」と。

松田直子

話し合う場が増えるべきだと思う。だれもが自信が無いので、集まって話をすると「そういう考え方もあるね、それもアリなんだ」とだんだん共感しながら、自分の中のルールが固まってくると思う。自分たちで話し合って、気付いて、考えていかないといけない。与えられるものではない。

川合ちえみ

「こんな風に考えていたんだ」「私も一緒だ」と気が付く「場」というのが、実生活の中に無い。ネット上にでもいいので「場」が存在して欲しいと思っている。

 

まとまらないことも「ニュース」

攝待記者

まとまらないということも「ニュース」です。

田中康平

この議論は、学校にICTが導入されたときと、よく似ていると感じる。学校に電子黒板やタブレットが導入された時、先生の間でもこのような議論が繰り広げられた。その中で「授業って何だろう、と自問自答する事が大切だよね」と気付き、今を見つめ直す事に繋がった。その事が、ICTが導入された一つの効果だろうと言われた。

桑崎剛

この事について「もっと関心を持ちましょう」「安易に与える事はやめましょう」という提言 はできると思う。スケール・モノサシということも話されたが、男女の違いや特性によっても異なるし、与え方によっても異なるだろう。一概にスケール・モノサシを示す事ができない。

永坂武城

先ほど攝待記者が言われた「まとまらないこともニュース」ということ、田中さんが言われた「原点を見つめ直す」ということ、川合さんが言われた「場が欲しい」ということから、「こういう事を話し合う環境づくり」を、行政主催でもネット上でもよいので進めていく事が大切だと思う。

 

【座談会当日の意見等のレポート】

  1. 情報モラル専門家による乳幼児スマホ対談メンバーの自己紹介と各参加者の考え
  2. 子育ての中心世代は、情報モラル教育を受けていない
  3. スマホ育児の問題点の提言、そういわれても子育てママの事実は・・・
  4. 0歳児スマホ問題の議論の方向性と論点を整理してみると
  5. スマホ/タブレット時代の「幼児のしつけ」は、どのようにしたら良いのか?
  6. 子育て、しつけの“あるべき姿”とは?モノサシで計れるものなのか?
  7. 不易と流行、子供は変わったのか
  8. 子育てママには、子供と共に成長して欲しいと願う

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